インフィニティ・チリ

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スコヴィル値
1,176,182 SHU
原産地 イギリス

インフィニティ・チリはかつて、いとも簡単に世界一辛いトウガラシのギネス世界記録を更新しました。「ハバネロ」や「ブートジョロキア」などといった、世界一の辛さというギネス記録に輝いた他のトウガラシと比べるとあまり耳にしない品種ですが、それもそのはず、インフィニティ・チリは日本のSBの開発した元ギネス記録のSB-カプマックスと同じように王座に座れた期間があまりにも短かった不遇のトウガラシなのです。

概要

開発者であるイギリス人のニック・ウッズは、リンカンシャーに住むホットソース愛好家でした。ホットソース作りの趣味が高じてホットソース販売会社「Fire Foods」を創業してしまうレベルのホットソース愛好家で、ホットソースの原材料を作るために4000種類ものトウガラシを栽培していました。

ニックは原材料のためのトウガラシの栽培は行っていましたが、今までにない辛さのトウガラシを目指し交配する、いわゆるブリーダーというわけではありませんでした。そのためインフィニティチリの発見は全くの偶然です。

2006年、温室ハウスで奇妙なハイブリッドのトウガラシを発見します。それがインフィニティ・チリでした。「一目見た瞬間、すぐにわかった。」とニックは言います。その後試食し地獄を見た後、スコヴィル検査を得てこの「インフィニティチリ」は新種の品種と認定されました。

2011年2月、インフィニティはスコヴィル値1,067,286 SHUを記録し、当時のギネス記録・世界一の激辛トウガラシに認定されていたブート・ジョロキア(1,041,427 SHU)から見事王冠を奪取しました。(ニックが測定した最大スコアは1,176,182ですが、ギネスの公式スコアですと1,067,286スコヴィルとなります。)

しかしそのわずか2週間後の2月25日、同じくイギリス育ちのトウガラシであるナガ・バイパー(1,382,118 SHU)がスコヴィル最高値を更新して新しいチャンピオンとなり、インフィニティはあっという間にその王座を奪われました。

辛さ

ギネス記録を更新したことからもわかるように、このトウガラシは尋常でなく激辛です。インフィニティ・チリのスコヴィル値は100万スコヴィルを超え、ギネス1位であったブートジョロキア(855,000〜1,041,427 SHU)を越えました。ちなみにこれは3万スコヴィルの鷹の爪と比べると約30〜40倍辛い数値となります。
「Infinity」とは「無限」という意味ですが、なぜこの名前がつけられたのでしょうか?答えは簡単で、口に入れたら最後、途方もなく長い時間まとわりつくような辛味が襲ってきて、信じられないような苦痛と苦悶を味わうことになるからです。ちなみにこの品種を発見したニックは初めて試食した時、1時間ほど吐き気と戦いながらのたうち回ったそうです。

見た目

正直に言って、インフィニティ・チリの見た目にあまり特徴はありません。シワが多めのハバネロと言ったところでしょうか。

ある程度の量を口に含むと、一瞬だけフルーティな味わいを感じることが出来ます。もちろん10秒後には地獄の苦しみに悶ていますので、インフィニティ・チリの味を感じられる時間はそう長くありません。

どこで購入できる?

インフィニティチリは種・苗・ホットソースともに日本で目にすることは殆どありません。確実に、どうしても欲しいという方はアメリカ・ヨーロッパ系の販売サイトで購入するしかありません。

インフィニティ・チリを使用したホットソースであればたまに直輸入業者が販売しているときもありますので、楽天辺りを定期的に巡回すると巡り会えるかもしれません。



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