浅漬け・漬物に唐辛子を入れる理由と、漬物に唐辛子が合う野菜6選

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何故浅漬けや漬物に唐辛子を入れるのか?

市販の浅漬けや漬物の手作り用のレシピに唐辛子が入っていることってありますよね。ですが、いったい何故浅漬けに唐辛子を入れるのか、疑問に思ったことはありませんか?

唐辛子を入れ始めた理由には所説がありますが、
1.防腐のため
2.味付けのアクセントのため
3.見栄えを良くするため
4.キムチを真似た
という説が主流となっています。ではそれぞれの説を見ていきましょう。

防虫のため(防腐・滅菌のためではない)

米びつと唐辛子
唐辛子は食品の長期保存のための防腐や減菌のために使われているイメージですが、ただ実は唐辛子や成分であるカプサイシンにそのような効果があるという科学的な裏付けは取れていません

参考までに岐阜大の小菅貞良氏と愛知県食品工業試験所の竹内徳男氏による研究だと、カプサイシノイドの防腐・カビに対する評価は以下のようになっています。

蕃椒辛味成分に関する研究(第12報) 
「カプサイシノイドは防腐、防カビ性はまったく無く、逆に糸状菌によりほとんど完全に分解されるのを認めた。」
引用:蕃椒辛味成分に関する研究(第12報) by 小菅 貞良(岐阜大学農学部) 竹内 徳男(愛知県食品工業試験所)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1962/9/2/9_2_69/_pdf

ただ米びつに唐辛子を入れると虫が湧くのを防ぐことできるのは事実であり、それが更に「防腐・防カビ・滅菌」まで拡大解釈されたのではないでしょうか。
ぬか漬けなどはそれ自体が保存食であるため、唐辛子を入れようが入れまいが防腐効果はありません。

ただ唐辛子は防腐効果や殺菌作用があると広く信じられているのも事実ですので、実際の効果の程はともあれ、防腐・防カビ・殺菌の目的で入れられたという説は支持しやすいといえます。

味・風味付けのため

(効果はともあれ)防腐等のために唐辛子を入れてきたという説を見ましたが、唐辛子を入れるもう1つ至極当然の理由、それは味付けのためです。

特に浅漬けは短時間しか漬けない上に、塩や醤油など少ない種類での調味料で作るため、味にハリが出ないことも多いです。そのため味にメリハリをつけるために唐辛子を入れるのは当然のこととも言えます。

見栄えを良くするため

浅漬けなどは基本的には緑色の野菜を漬けるためが多いため、色合いには乏しい仕上がりとなってしまいます。そこに輪切りの唐辛子を加えることにより、赤色が映え見栄えが良くなるため入れたという考え方もできます。

キムチを真似た

キムチを真似たという説もありますが、これはないでしょう。

キムチに使用される唐辛子は粉末状・ないしは粗挽き状になっている唐辛子を使用し、ペースト状にした上で発酵させています。対して浅漬けに入れられる唐辛子は基本的には輪切りであり、ぬか床などに入れる唐辛子は切らずに丸々1本入れる家庭が主流でしょう。

このように唐辛子の形状からして違いますし、キムチを真似たというのであれば風味付け程度ではなくもっと大量の唐辛子を入れるはずです。なのでキムチを真似たという説は少し無理があると思われます。

唐辛子入り浅漬けの作り方

浅漬けや唐辛子に漬物を入れる理由の説を解説してきましたが、せっかくなので唐辛子を使用した浅漬けのおすすめの作り方・レシピと、おすすめの野菜を伝授していきたいと思います。(当サイトは唐辛子専門サイトなので、漬物も唐辛子入りをぜひ啓蒙していきたいと思っています)

まずそもそも浅漬けとは、ナスや大根・きゅうりなどの野菜を「浅漬け」の文字通り短時間(浅い時間)、調味料に漬けたもののことを表します。ぬか漬けとなると少し手間がかかりますが、浅漬けは自宅で簡単に作れるので、健康志向な人や簡単に一品作りたいと考えている人にオススメです。では、浅漬けの作り方を紹介します。

①野菜はよく洗い、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を切っておきます。
②野菜を食べやすいサイズにカットします。(ナスやキュウリは斜めに7mm程度が目安)
③唐辛子は輪切り、もしくはちぎることによって辛みを効率的に移すことができます。
④ビニール袋に塩・砂糖・醤油・酢・鷹の爪・味の素を混ぜた漬け汁を作ります。

⑤漬け汁の中にカットした野菜を入れ、揉み込みます。
⑥一晩冷蔵庫に寝かせて完成です。

漬物で唐辛子との相性が良い野菜

浅漬けを作るにあたって、唐辛子と相性の良い野菜というものが存在します。そこで、オススメの野菜についてまとめてみました。

①きゅうり

ナスときゅうり
浅漬けの王道といえば、きゅうりですよね。きゅうりは非常にみずみずしい野菜で、韓国ではキムチにもされるほど、唐辛子との相性も抜群に良いです。しかも、きゅうりは体温を下げると言われている野菜なので、唐辛子に含まれているカプサイシンの発汗効果で体温が下がるのを防ぎ、代謝アップにも繋がるかもしれません。シャキシャキのきゅうりにピリッとした辛味が効いて、より旨味が倍増しますね。

②ナス

漬け物の定番とも言えるのがナスですよね。夏野菜なので、きゅうりと同じくみずみずしさがあり、体温を下げる効果があります。その為、体温を上げる為に唐辛子を入れると代謝アップにも繋がりますね。スポンジ状のフカフカの実に、ピリッと効いた唐辛子がアクセントとなり、やみつきになること間違いなし!

お酒を飲まれる方へのつまみとしてなら、ナスの一本漬けに唐辛子を多め(鷹の爪を2本ほど)に入れるのもおすすめですよ!

③白菜

キムチにも使用されている、シャキシャキとした食感がポイントの白菜も定番ですが、唐辛子との相性も抜群です。特に白菜は冬に育てられる野菜で甘みがあります。その為、唐辛子のようなパンチの効いた辛味があることで、より白菜の甘みが引き立ちます

④セロリ

ぽりぽりとした食感が美味しい、風味が強めなセロリは浅漬けでの唐辛子との相性が抜群です!居酒屋のおつまみでセロリの浅漬を頼んだことのある方も多いのではないでしょうか?
セロリにはフラボノイドなど神経系を整える作用を持つ成分が含まれていることから、血圧を下げたり利尿作用をもたらしてくれます。また、含まれているビタミンB1・B2の働きによって、エネルギー代謝も良くなる等、健康面的にも役立つ成分がたっぷりと含まれているんですよ。そういったセロリの効能と、唐辛子に含まれるビタミンA・Cによる夏バテ解消効果によって、より健康的になれますよ。シャキシャキの食感にピリッとした辛味の相性も絶妙なので、セロリが苦手ではない方はまず試していただきたい野菜となっています。

⑤だいこん

だいこんの漬物といえば、ポリポリとした歯ごたえがたまらないですよね。冬野菜の代名詞でもあるだいこんは、唐辛子との相性も抜群なんですよ。だいこんには消化酵素がたっぷりと含まれており、煮物で食べるよりも断然生の方が数値が高いのです。そこに代謝が上がる唐辛子をアクセントとして持っていき、浅漬けにすることで旨味が凝縮され、しかもだいこんの効能が活かせます。韓国では”カクテキ”と呼ばれるだいこんのキムチがあるなど、唐辛子との関係性も深いんですよ

⑥かぶ

かぶはだいこんと同じアブラナ科の野菜であり、効能もほぼだいこんと同じなんです。水分量を多く含むかぶの実には、ビタミンCや食物繊維が豊富に含まれています。腸内環境を整える整腸効果が見られるので、便秘にも効果的ですよ。この効果も、生だから高い効果が得られると言えますね。なので、浅漬けにすることで、たっぷりの食物繊維が取れること、そして唐辛子に含まれるビタミンA・Cが加わることで夏バテにも強く、高い防腐効果が得られます。しかも、カプサイシンによって発汗作用が得られるので、代謝アップにも繋がりますね。また、味もだいこんに近いことから唐辛子の辛味との相性も抜群だと言えるでしょう。

まとめ

浅漬けに唐辛子が入っている理由について、色々と考えてきましたが、味や防虫効果・成分の相乗効果など様々でしたね。特に、夏野菜の場合身体が冷えてしまうのを唐辛子がカバーしてくれるのには、率直に考えた人凄いなと感じました。漬物=腐りにくいイメージではありますが、味のアクセントを加える意味でも、唐辛子は欠かせない存在であると言えますね。唐辛子入りの浅漬け・漬物、是非試してみてください!



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たまに辛いものが食べたくなる28歳。 甘いものと新しい話題に目がありません!

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