15,000〜30,000 SHU
原産地 ペルー
概要
レモン・ドロップはロコト・ペッパーと同様にペルーが原産のトウガラシです。Capsicum Bacctumという種類に属します。南米、主にアンデス地域のペルーやボリビア、カリブ地方などで多く栽培されるトウガラシの系統で、南米ではパプリカやカイエンペッパーが属するCapsicum Annuumに匹敵するくらいの量が栽培・生産されています。
また、この系統は”Aji’s”という名前でも知られています。”Aji”とはスペイン語で「トウガラシ」を意味し、レモン・ドロップの他にもアヒ・アマリージョやアヒ・ノルテーニョ、アヒ・セレッサなど、辛味の強くないものから激辛のものまで様々な品種があります。レモン・ドロップも”Aji Limo”と呼ばれていますが、一説では、この品種がアメリカに進出した際に”Aji Limon”と誤って伝えられたとか。それだけレモンを思い起こさせるトウガラシなのですね。
辛さ
レモン・ドロップという可愛らしい名前が付いたこのトウガラシの辛さはどれほどのものなのでしょうか?
実際は、多くの人がこのかわいい名前と見た目からイメージするよりは辛いトウガラシです。辛さを表すスコヴィル値は高いもので30,000 SHUと、三鷹やタバスコ・ペッパー(50,000 SHU)ほどではないものの、鷹の爪やマンサーノ・ペッパーと同等の辛さを持っています。
また、レモン・ドロップの特徴の一つが、食べた直後に辛味を感じることです。他の多くの品種のように辛さがじわじわとやってくるのではないので、初めての方はビックリするかもしれません。ですが、他の食材の味を邪魔するほど主張の強いものではないので、トウガラシが好きな人にとってはピリッとした辛味を楽しめますし、そうでない人にとってもユニークな風味を味わえるトウガラシです。
見た目
レモンドロップの特徴は、レモンのような透明感のある黄色の実です。実のサイズは約5〜7.5センチで、栽培を始めると実は最初まっすぐに育ち、その後、熟してくるにつれてペンダントのようになってきます。ちなみに、レモンドロップの和名はそのまま「キイロトウガラシ」です。
そして、植物自体も美しいのです。この種に属するトウガラシの植物は背の高いものが多く、150センチほどに成長します。レモン・ドロップは花も特徴的で、基本的に偶数枚の白い花弁に内側だけほんのりとにじむように淡く黄緑色に色づいた可愛らしい花が咲きます。このトウガラシはかなり涼しい気候でも栽培が可能なので、冬の期間も室内に入れておけば、四季を通じて清楚な花と明るいライトのような実を楽しむことができます。
味
レモンドロップはフレッシュな状態での見た目はピカイチですが、それと同じくらい味も良いのが特徴です。シトラスのような柑橘系のピリッとした味が辛くも清涼感があり、同じ果実味をベースとしたスコッチボネットと比べると辛味がそこまで強くないので、フルーティーな風味を楽しみたいという方にはピッタリのトウガラシです。育った環境や栽培状況によって、レモンのようであったりレモングラスのように感じられたりと味に多少の違いはあるものの、生でスライスして食べるとその風味を一層強く感じられることでしょう。
使い道
レモン・ドロップはシトラスな風味なので、チキンや魚料理との相性が抜群です。まさに生のレモンの果汁を絞りかけるかのように、果実味たっぷりのピリッとした刺激を加えてくれます。ペルーではロコト同様、ペルーの代表料理・セビーチェにも使われています。
また、フルーツをベースとしたサルサソースはもちろんのこと、乾燥させたパウダー状のものも使いやすいです。ただ、その食文化に深く根付いているペルー以外ではこのトウガラシを手に入れることは難しいです。購入はネットか、もしくは現地に行った時のお楽しみにするとよいかもしれませんね。