30,000 – 50,000 SHU
原産地 日本
Takanotsume(鷹の爪)は日本のトウガラシで、ナス科トウガラシ属に属します。日本国産のトウガラシの中では最もポピュラーなものなので、その名前を聞けば誰しも色や形のイメージが付くのではないでしょうか。そのピリッとした辛味が好まれ、日本国内では調味料として広く用いられています。
ストーリー
「鷹の爪」という名前は、その細くてカーブした形が鷹の爪に似ていることに由来すると言われています。元々は一つの品種の名前でしたが、近頃は本鷹や熊鷹といった品種の総称としても用いられています。通常、トウガラシは枝から首を垂れるように鈴生りに実るものが多いですが、鷹の爪は空に向かって上向きに実がなることから「天上向き」と呼ばれることもあります。
世界でトウガラシが広く知られるようになったのは15世紀、コロンブスの新大陸発見時ですが、日本にトウガラシが入ってきた時期については諸説あり、16世紀半ばにポルトガル人が鉄砲や煙草とともに伝えた、という説もあれば、17世紀初めの豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に日本に持ち帰った、という説もあります。国内でのトウガラシの栽培は江戸時代から始まったとされています。
味・使い方
鷹の爪はスコヴィル値の割にかなり辛味が強いです。果肉が薄く、日本では主に完熟して乾燥させたものやパウダー状になったものが香辛料として使われています。
炒めものなどをする時はまるごと入れるのが一般的ですが、細かく刻むとさらに辛味が増し、100℃で加熱すると最も強い辛味が出ます。
食用以外には野菜やもち米などの防虫剤としても使われます。また、ポインセチア同様にそのクリスマスカラーの見た目はとてもかわいらしく、クリスマスツリー代わりの小さなゴールドクレストにオーナメントのアクセントとして使うのもおすすめです。月桂樹などと組み合わせてリースを作ることもできます。針に糸を通したもの、もしくは針金でトウガラシの付け根の部分を順々に挿していき、円形にしましょう。装飾として使う際は、実が真っ赤に熟すまで置いておき、根本を刈り取った後に逆さに吊るして乾燥させてから使います。クリスマスが終わったら汚れを拭き取って料理にも使えるので、一石二鳥ですね。
栽培
鷹の爪は暑さや病害虫に強く、生育旺盛で育てやすいです。一株でかなりの量を収穫できるので、消費スピードによっては数年分は持つかもしれません。ただし、家庭菜園で育てる際は連作を嫌うので、3〜5年は間隔を空けるようにしましょう。特に同じナス科の植物を育てた後には鷹の爪の栽培は避けた方がよいでしょう。
鷹の爪は酸性の土壌に弱いため注意
植え付けは5月中に行います。鷹の爪は酸性の土壌に弱いため、土に石灰を入れて中和しておく必要があります。植え付けの2週間ほど前に苦土石灰を撒いてよく耕しておきましょう。また、トウガラシは養分をたっぷり含んだ土壌を好むので、植え付けの1週間前には堆肥と有機配合肥料を施し、しっかりと耕します。窒素肥料を過剰に与えると落花の原因となり、実があまり付かなくなるので注意が必要です。マルチをすると土壌の湿度が保たれて生育が良くなるので、水を十分に撒いてから黒マルチを張ります。
苗から育てる場合、植え付けは2条もしくは1条で40〜50センチ間隔でマルチに穴を開け、苗を浅植えにします。苗が倒れないように短めの細い竹などを斜めに挿しこみ、枝を結んで固定します。鷹の爪は栽培自体は難しくはありませんが、先述の通り実が上向きに付くため、実がたくさん付き始めるとその重みで上部の枝が折れてしまったり、風によって株の付け根から折れて倒れてしまうことがあります。このような事態を防ぐため、この植え付け時にしっかりと固定をすることが大切です。幹の損傷がなければ、全体が赤く色づいてきた頃に実を摘みとって収穫をすると、再び花が咲いて実を付け始めます。1つの苗から2回に渡ってたっぷりと収穫ができますよ。
実がつき始めたら追肥を欠かさないように!
植物は成長すると、高さが約50センチかそれ以上になります。最初の花が咲いたら、主枝の先端を摘み取る摘心をしましょう。そうすることで、主枝の脇から一気に側枝が出てきて花が咲き、収穫量が増えます。下部の側枝はかき取って放任します。長さ2〜5センチの小さい実が、上向きにたくさん付きます。そして、実が付いて上部が重くなってきたタイミングで、支柱を中心に主枝を紐で結わえ、倒れないように養生しましょう。また、実が付き始めたら肥料が切れることのないよう、月に2,3回追肥します。鷹の爪に限らず、トウガラシ類は乾燥を嫌うので、夏を迎えたらたっぷりと水やりをし、可能であればさらに敷きワラをして保湿するとよいでしょう。
実の色は明るい緑色から始まり、成熟するとぽつりぽつりと赤くなり出し、直に株全体の実が一気に赤くなります。赤くなってきたら順次実を摘み取り、その後全体の色が変わってきたら株ごと抜き取ります。実を一つずつ収穫する際は、ヘタを株に残して摘み取るとよいでしょう。ヘタが取り除かれていれば比較的早く乾燥しますが、ヘタが付いたままだと中がカビて表面が黒色か灰色に変色してしまうことがあるので注意が必要です。一日しっかりと陽に当てて一気に乾燥させるようにしましょう。また、株ごと抜き取ったものは、軒下など風通しのよい所で逆さに吊るして乾燥させましょう。
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