500,000 SHU
原産地 中央・南アフリカ
ファタリー(Fatalii)はトウガラシの愛好家以外にはあまり知られていませんが、間違いなく激辛トウガラシの一つです。名前の由来となった「Fatal」は「致命的な、破滅的な」という意味で、サヤの黄色い色とは裏腹に、このトウガラシはハバネロ以上の辛さを持っています。
辛さもなかなかのものですが、このトウガラシの特徴はその独特な柑橘系の風味であり、ファタリーはシトラス・ホットソースやサルサを作るのにはうってつけのトウガラシとも言えます。
辛さ
ファタリー・ペッパーはシネンセ種の一種で、中央アフリカと南アフリカが原産地です。ファタリー・ペッパーのスコヴィル値は125,000〜500,000 SHUと幅広いですが、平均的なものでも辛めのハバネロと同等の辛さを持ちます。スコヴィル値が高いものはチョコレート・ハバネロをも超え、その辛さはハラペーニョの100倍以上です。
そしてファタリーの辛さの大きな特徴は、その辛味が口に入れた瞬間にやってくることです。近親のハバネロやスコッチボネット、レッド・サビナ・ハバネロといった他の品種はジリジリと辛さがやって来るのに対して、ファタリーの辛味は口に入れた直後に訪れます。
味と外見
ファタリーはあらゆる柑橘系のトウガラシの中でも最もシトラスなものの一つです。トウガラシの土っぽさの中に、レモンとライムのような風味があふれています。
ファタリーを栽培する時、通常約60センチ程度の高さまで育ちますが、120センチ程まで育てることもできます。ファタリーの栽培において最も重要なことは、しっかりと太陽光に当てることです。日光をたっぷり浴びせることで、実が充実します。ファタリーの実はやや淡い緑色から、約100日で成熟し、透けるように鮮やかなシトラスの黄色に変化していきます。中には赤いファタリー・ペッパーもありますがそれはオリジナルから派生した別の品種で、辛味も黄色のオリジナルより強いことが多いです。実は長さ約6.3〜8.9センチ、幅約2〜3.8センチのサイズで、先が細く尖っています。
使い方
ファタリーはホットソースやサルサを作るのに最適で、原産地のアフリカではソース作りによく使われます。その際には相性の良さからライムやレモンといった柑橘類と組み合わされることが多く、色も、ファタリーを使って作ったホットソースはオレンジ味がかった黄色や黄金色になります。
また、グリルチキンや魚のグリルなど、柑橘系のフルーツが味の決め手となる料理にも応用できます。調理せずに生で食べたとしても、オレンジとの相性が良いものであればどんなフレッシュなフルーツとも相性抜群です。
ファタリーは皮が薄いので、乾燥させるのも簡単です。ドライペッパーにしたものをさらにすりつぶせば、ひと味違ったチリパウダーやトウガラシフレークが出来上がります。