辛くない唐辛子ってあるの?種類の一覧と辛くなりにくい育て方・調理方法を紹介します!

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唐辛子は、ナス科トウガラシ属に分類され、世界中に数十種類あるとされています。辛味成分カプサイシンを含む物が多いので、一般的に辛い物の代名詞とされていますが、実は全ての唐辛子が辛いわけではありません。例えばシシトウは唐辛子の1種ですが辛くありませんよね!

辛くない・辛くなりにくい種類や、基本的に辛い種類でも、育成方法や調理方法で辛さが変わります。今回は辛くない唐辛子の種類や、育てている唐辛子をできるだけ辛く無くする方法などをご紹介していきたいと思います。

もともと辛くない種類・品種

唐辛子の辛さはカプサイシンの割合で表され、これはスコヴィル値ともいわれます。スコヴィル値が高いほど辛いということで、日本で一般的な鷹の爪という品種のスコヴィル値は4万~5万ほどです。

このスコヴィル値が低い、辛くない種類の唐辛子を紹介します。

ただし、一般的に辛くないとされる種類でも、育て方と調理法によっては辛味を感じる場合があるので注意が必要です。

獅子唐・ししとうがらし

シシトウ
おそらくシシトウが日本人にとって一番馴染み深い「辛くない唐辛子」ではないでしょうか。獅子唐も唐辛子の1種で、基本的に辛くない品種です。でこぼこした形状が、獅子の頭に見えることから獅子唐辛子と呼ばれるようになりました。

基本的には青い(緑)状態で市販されていますが、赤くならない品種というわけではなく、未成熟だと緑色、成熟すると赤色に変色します。つまり市販されているシシトウの状態は未完熟ということですね。
獅子唐のスコヴィル値は0~500程度で、個体によっては少し辛味を持つ場合があります。

ししとうの辛さに関しては別記事にてまとめてありますので、詳しくは以下の記事を参考にしてください。

ピーマン

ピーマン
ピーマンは実はトウガラシ属に分類される唐辛子の1種です。
ピーマンは緑色なので、唐辛子とは違う種類だと思われがちですが、これは未成熟だからです。買ってから数日たったピーマンが、赤色やオレンジ色に変色して驚いた経験はありませんか?これは傷んでしまったわけではなく、成熟することで赤色やオレンジ色に変色していきます。
唐辛子も同じで、緑色の青唐辛子は未成熟で、熟していく過程で赤くなります。
ピーマンは基本的にカプサイシンをほとんど含まず、スコヴィル値は0に近くなります。

パプリカ

パプリカ
パプリカも唐辛子の1種で、日本では主に肉厚で辛味が少ない品種が一般的です。
カプサイシンは劣勢遺伝子なので、基本的に辛味はほとんどありませんが、品種によって差があります。海外では辛味の強い品種を粉末状の香辛料にする場合があるので、輸入品のパプリカ香辛料は辛味を感じることがあります。

スコヴィル値は0~2500程度です。

万願寺とうがらし

万願寺とうがらし
万願寺とうがらしは、ピーマンの仲間のカリフォルニア・ワンダー種と伏見系唐辛子の交配種で、京都府舞鶴市が発祥の京野菜です。
大きくて肉厚な果肉とほのかな甘みが特徴で、とうがらしの王様と呼ばれています。辛味はほとんどなく、生で食べることもできます。

ピメント

ピメントは日本ではあまり馴染みのない品種ですが、こちらも辛くない唐辛子の1種です。肉厚で丸っこい見た目が特徴で、果肉には水分を多く含み、甘みと強い香りがあります。
スペイン料理でよく使われ、ピクルスにしたり、そのまま生で食べることもあります。ピーマンと同じくカプサイシンをほとんど含まず、スコヴィル値は0に近くなります。

品種一覧はランキングページからどうぞ

今回ご紹介した品種以外にも、世界には辛くない唐辛子はたくさんあります。
チリチリマガジンでは世界の唐辛子・ホットソースの辛さを一覧にしてまとめていますので、是非参考にしてみてください。。
表記の数値(スコヴィル値・SHU)が低ければ低いほど辛さも控えめで、0のものが全く辛くない品種です。

唐辛子の辛味を抑える育て方・栽培方法

鷹の爪栽培
さて、もともと辛くない品種をご紹介してきましたが、辛さのある品種を辛くせずに育てることは可能なのでしょうか。結論から言うと、ある程度まで可能です。完全に辛さを無くすということは不可能ですが、その品種の下限まで辛さを落とすということは可能です。その品種の下限値以上に辛さを抑えようとするのであれば、品種改良を重ね新しい種を生み出さねばなりません。

具体的に辛さを抑えて育てる方法ですが、唐辛子の辛さは、育てる環境で大きく変わり、ストレスが多ければ辛くなり、ストレスが少なければ辛さは減ります
水をたっぷりあげ、栄養もしっかりあげて育てた唐辛子はあまり辛くなく、まるでピーマンのようになることもあります。逆にピーマンや獅子唐など、本来辛味があまりない品種でも、ストレスをかけて育てる事で辛くなる場合があります。もともと辛い品種を更に辛くしたい場合は、栄養価の無い土壌で必要最低限の水を与え、唐辛子にストレスをかけるようにするのが効果的です。

なので、辛くない唐辛子を育てたい場合は「栄養豊富な土で」「水をたっぷり与える」ことを意識して育てましょう

これとは別に、ピーマンと唐辛子を一緒に育てるとピーマンが辛くなる、という話をする人が多くいます。これはキセニア現象と呼ばれるもので、唐辛子の花粉がピーマンに受粉すると辛くなるというものですが、大学などの研究では辛味に変化はなく、実際にはストレスの影響で辛味が増したことへの勘違いではないかと言われています。

唐辛子の辛さを減らす調理方法

唐辛子(ハバネロ)の胎座
唐辛子の辛さを減らす調理方法は、出来るだけ生の状態で、唐辛子の胎座を取ってしまうことです。

唐辛子の辛味成分カプサイシンは、この胎座という部分で作られます。胎座は種が付いている部分で「ワタ」などと呼ばれたりもします。よく種が辛いと表現されることがありますが、厳密にいうとこれは間違いで、種と一緒に胎座を食べる事でより辛味を感じているのではないでしょうか。

胎座で作られたカプサイシンは、乾燥させたり過熱調理することで種や果肉にも移ります。つまり他の部位にカプサイシンが移る前に胎座を取ってしまえば、辛味を減らすことができるのです

乾燥させた後でも胎座に多くカプサイシンが含まれているのは変わらないので、乾燥唐辛子の胎座を取ることでも辛味を減らすことができます。ただし生の状態と比べ辛味は残ってしまうので、出来るだけ生に近い状態で胎座を取るとより辛味を減らすことができます。

まとめ

今回は辛味の少ない唐辛子と、辛味を減らす方法を紹介しました。
辛さがあってこその唐辛子ですが、辛味を減らす事で、唐辛子本来のうまみや香りを楽しむことができます。あえて辛味の少ない唐辛子料理を一度試してみてはいかがでしょうか。



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世界各国辛い物なら全部好きです!

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