日中についつい眠くなってしまい、居眠りしそうになってしまうことがあります。そんな経験はどなたでも一度くらいは、きっとあるのではないでしょうか。日中に起こる強い眠気は仕事中であれば作業の効率を下げますし、車を運転している最中だとミスの原因になりかねません。
夜でない時間帯に眠気を感じないようにするには、生活を見直すとともに食を上手く利用するのが一番です。食は内側から体に働く効果があるので、眠気を抑える作用も期待できます。食による眠気覚まし対策には唐辛子を食べることが適し、唐辛子の成分が眠気を改善してくれます。
頭を興奮させる唐辛子で眠気覚ましできる
眠気を吹き飛ばすには唐辛子の辛味成分が効き、辛味が人間の痛覚部分を刺激し眠さを紛らわしてくれます。唐辛子の辛味成分はカプサイシンという成分であり、食べるとアドレナリンが活発に分泌されるようになります。
アドレナリンは人間の気持ちを高揚させる働きがあり、大量に分泌されると全身がが活性化します。唐辛子のカプサイシンは交感神経の働きを向上させる力があるため、脳内のアドレナリンを分泌させるのです。
人間の味覚として受ける刺激は、旨味・塩味・甘味・酸味・苦味の5種類があります。辛味は味覚に受ける刺激の中に入っていないのですが、実は辛味は痛覚として私たちは認識しています。口腔内と舌の部分の痛覚を辛味は刺激し、神経系では辛さと痛みが混ざって伝わります。
辛味と痛さが同時に神経に来ることで痛みを弱めるため脳内麻薬が分泌され、それが眠気をさらに抑えてくれます。
眠気の改善に唐辛子が良い理由
そもそも眠気が生じる理由について、あなたはご存じでしょうか?日中などに眠たくなってしまうのは、睡眠の質が悪かったり自立神経のリズムが狂っていたりするとなります。
唐辛子が眠気覚ましになるのは辛さによりますが、唐辛子は睡眠の質を良くし自立神経の乱れを改善もしてくれるのです。
食後の血糖値コントロール
血糖値が高いと健康に悪いと言われていますが、血糖値は睡眠や自立神経にも影響を与えます。血糖値は炭水化物に多く含まれる糖で変化し、炭水化物をたくさん摂ると食後の血糖値が高くなってしまいます。唐辛子のカプサイシンは血糖値の調整作用のあるアディポネクチンを増やす効果があり、唐辛子を食べることで血糖値上昇が予防できます。
カフェインと組み合わせるのが効率的
持続時間の話
カプサイシンを使った眠気覚ましは痛覚を刺激するのが第一ですので、はっきり言ってしまうと長続きしないんです。一時的には強烈な辛さ(=痛み)で覚醒できますが、痛みが過ぎ去ってしまえば再び眠くなってしまいます。そしてカプサイシンの痛みというのはそれほど長続きはしません。
対してカフェインは人によりますが3〜4時間くらいは覚醒作用が持続します。そのため
短期的な眠さ予防:唐辛子(カプサイシン)
中長期的な眠さ予防:カフェイン
という使い分けをすると良いでしょう。
現実的な運用の面
実際のところ、眠気覚ましに唐辛子を使用すると言っても唐辛子をかじるのは現実的ではありません。眠気を覚ましたいという状況でカプサイシンを摂取する現実的な方法としては、唐辛子入の食事をするくらいでしょう。
なので眠気を覚ましたいのであれば、「唐辛子のたっぷりはいった激辛料を食べ、1時間後くらいに眠気覚まし系のドリンクかカフェイン錠剤を摂取する」のが良いでしょう。
唐辛子のあとはカフェインでブースト
唐辛子料理で短期的な眠さを回避したあとは、カフェインで数時間単位で脳みそをブーストしましょう!
「錠剤、瓶ドリンク、エナジードリンク」の順におすすめなのですが、メリットデメリットをおすすめ順にご紹介していきます。
カフェイン錠剤
カフェイン含有量:1錠100mg(エスタロンモカ12)
メリット:コスパが良い
デメリット:カフェイン以外の成分は入っていない
シンプルかつ手軽に眠気を覚ましたいのであればカフェイン錠剤を飲みましょう。
カフェイン錠剤?怪しくない?と思われるかもしれませんが、薬局で普通に売っています!眠気覚まし系のドリンクやエナジードリンクと比べるとコスパは抜群なので、シンプルにカフェインを摂取したいというかたはこちらがおすすめです。
エナジードリンク等に比べてアルギニンは入っていませんが、ただアルギニンが入っているからと言って「バッチリ目が覚める!」ということはないので基本的にはカフェインの錠剤がおすすめです。
眠気覚まし系ドリンク
カフェイン含有量:1本120mg(眠眠打破 50m)
メリット:手軽に手に入る、眠気覚ましを飲んでいるという実感がある
デメリット:コスパが悪い
瓶に入っているタイプの眠気覚ましドリンクは、コンビニで手軽に手に入るのがグッドです。ただカフェイン錠剤に比べるとコスパはよくありません。錠剤ですとカフェイン100mg20錠入りで300円程度ですが、こちらは同額程度で1本のみですからね。
ですがやはりカフェイン錠剤が手元にない時にコンビニで手に入るという点と、「眠気覚ましを飲んでいる!」という実感は手に入りやすい
エナジードリンク
カフェイン含有量:
1本142mg(モンスターエナジー)
1本80mg(レッドブル)
メリット:手軽に手に入る
デメリット:糖分が多すぎる、コスパが悪い
欧米などで販売されているエナジードリンクと成分比率が異なるため、日本で販売されているエナジードリンクははっきり言ってコスパも悪いですし、摂取できるカフェインに対して糖分が凄いのであまりおすすめできません。
気軽に買えるのとジュース代わりに飲めるという点では評価できますが、がぶ飲みしていると糖尿病まっしぐらになるので注意しましょう。
お昼に唐辛子ランチで眠気覚まし
日中で一番眠くなりやすいのは、昼食でお腹いっぱいになった頃になります。ランチに唐辛子を使った料理を食べると、午後の眠気を予防することが可能です。世界各国には唐辛子を使った美味しい料理がたくさんあるので、ランチに食べてみてはいかがでしょうか。
チキンのモレ・ポブラーノ(メキシコ)
スパイシーな料理が多いメキシコでよく食べられている料理で、唐辛子が使われているのに辛味をあまり感じません。唐辛子以外の香辛料も使われていて、隠し味に料理用カカオも入っています。色々な調味料が含まれているので、複雑な味わいがし美味しいです。
チリコンカン(アメリカ)
アメリカのテキサス州で食べられている料理で、ひき肉・豆・トマトを唐辛子でじっくり煮込んでいます。これはピリッとした辛いうま味が強く、アメリカの人には定番の料理の一つです。
ピルピル鍋(スペイン)
スペインの鍋物料理でブロッコリーとマッシュルームの野菜と一緒に、エビや貝などの新鮮な海の幸をオリーブオイルで煮込んでいます。唐辛子は香り付のために使われていて、たくさん入っていても不思議と辛くありません。オイルがたっぷり入っているので、パンと相性が良い料理です。
エマダツィ(ブータン)
ブータンの家庭で食べられるスープ料理で、チーズで生の唐辛子を煮込んでいます。使われている唐辛子はアヒ・リモといい、かなりの辛味を持っています。チーズで煮込んだスープなので辛く見えませんが、一口食べただけでも辛さで体が熱くなります。
より強い刺激には数値の高い唐辛子がおすすめ
唐辛子にはカプサイシンが含まれている割合を示す単位があり、その単位はスコヴィル(SHU)と呼ばれています。スコヴィル値が高い唐辛子ほど、辛味の度合いが強くなります。唐辛子による眠気覚ましには、スコヴィル値が高いものを選ぶとより効果的です。
簡単にいくつかスコヴィル値の高い唐辛子をご紹介しましょう。
・ハラペーニョ35,000
・韓国辛味唐辛子20,000〜50,000
・鷹の爪40,000〜50,000
・ブリッキーヌ 50,000〜100,000
・ハバネロ100,000〜350,000
・キャロライナ・リーパー 2,200,000
辛い唐辛子ほど眠気覚まし効果が期待できますが、キャロライナ・リーパーは辛すぎるので胃腸の弱い方は控えた方が良いです。
唐辛子・ホットソースのスコヴィルの値については一覧で掲載していますので、よろしければこちらを参考にしてみてください。
注意点とまとめ
唐辛子は眠気覚ましに役立つ食材ですが、注意しておく点もあります。アドレナリンの分泌に働く作用があるので、寝る前には食べないようにしましょう。寝る前に唐辛子を口にするとアドレナリンが分泌され、気持ちが興奮し眠りが浅くなってしまいます。
唐辛子はなるべく昼に食べるようにして、カプサイシンの力を活用しましょう。日中の眠気をコーヒーで紛らわしている人は、内側から眠気を改善できる唐辛子を組み合わせると良い対策ができます。