唐辛子を乾燥して保存するメリット・デメリットは?

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唐辛子は料理に刻んで入れたり薬味として使ったりと、辛みを加える食材として重宝しますね。この唐辛子、スーパーで売られているものは既に乾燥させてあるものがメインです。しかし近年では地域の産直コーナーの増加によって、採れたての唐辛子を購入できる機会も増えてきました。唐辛子は毎年8月から10月にかけてが収穫時期で、この時期になると生の唐辛子が店頭に並ぶこともあるでしょう。
また唐辛子は栽培しやすい野菜なので、自宅の庭やプランターなどで育てて収穫を楽しむこともできます

このように唐辛子を生で手に入れた場合、悩みの種になるのが保存方法です。生で購入したり収穫したりした唐辛子を保存する場合、「冷蔵」、「冷凍」、「乾燥」といった方法が考えられます。ここではその中でも「乾燥保存」に焦点を当てて、そのメリットとデメリットをご紹介していきます。

乾燥させるメリット

メリットその1「長持ち」

乾燥唐辛子
乾燥している状態は保存に適しているため、唐辛子を乾燥させる最大のメリットは「長持ちできる」という点になります。

食材が傷んでしまう最大の原因は「水分」です。正確に言うと微生物が活性化する「自由水」の量ですが、シンプルに『塩分・糖分濃度が低い「水分」が多ければ多いほど痛みやすい』と考えればわかりやすいでしょう。
唐辛子を乾燥させると当然水分量がぐっと少なくなるため、保存可能期間が長くなるのです。きちんと乾燥させた唐辛子なら半年以上、長ければ1年くらいは長持ちします。長持ちといっても「賞味期限」の問題であって「消費期限」の話ではありません。風味を気にしなければさらに長持ちします。

生の状態の唐辛子は傷むのが結構早く、冷蔵保存だと早いと1週間前後でダメになってしまいます。乾燥させた唐辛子の保存期間がいかに長いかが分かりますね。

メリットその2「粉末状にできる」


唐辛子を乾燥させると水分が抜けて固くなるため、フードプロセッサーやミルサーを使用すれば粉末・フレーク状の調味料を簡単に作れます
一味唐辛子は市販のビン詰めのものが一般的ですが、唐辛子を乾燥させた場合は自家製の一味唐辛子で、ソバやうどんなどを楽しむことができますね。
ただし粉末状にする際は目や鼻に入ってしまうとヒリヒリとした痛みが生じるので、飛び散ってしまわないよう注意しましょう。

メリットその3「お米の虫よけに使える」

米びつと唐辛子
お米を長期保存していると、「コクゾウムシ」や「ノシメマダラメイガ」といった虫がわいてしまうことがあります。唐辛子には、これらの虫を寄せ付けない効果があることが分かっています。唐辛子に含まれている香り成分に、虫よけ効果があるのです。

しかし生の唐辛子をそのままお米の保存容器に入れてしまうと、水分があるためカビが生えてしまう恐れがあります。そこで乾燥させた唐辛子の出番となるわけです。

乾燥させた唐辛子の虫よけ効果は、約1か月間だとされています。虫よけ効果を持続させるためには、この期間を目安として乾燥唐辛子を交換していくようにしましょう。

乾燥させるデメリット

デメリットその1「乾燥に時間がかかる」

唐辛子の乾燥
乾燥保存のデメリットは、自分で自然乾燥させる場合は「手間がかかる」という点です。
バラの状態のものをザルやキッチンペーパーの上に並べて風通しの良い場所に置いた場合でも数日茎付きのものを吊るす場合は短くても1週間から最大で1か月ほどの時間がかかってしまいます。

基本的には放置しておいても大丈夫なので手間としては楽なのですが、乾燥が完了するまでにはそれなりの時間がかかってしまうのがデメリットです。

乾燥不足だとカビの恐れも

カビ
また唐辛子の収穫時期は、一般的には8月から10月です。収穫したものを自分で自然乾燥させる場合は、8月だとまだまだ湿度が高いために上手く乾燥しきれないことも多くなってしまいます
自分で乾燥させた場合に多いケースなのですが、唐辛子の乾燥が不足していると内部からカビが生えてきてしまいます。表面は綺麗でも、いざ使おうと切ってみたら中身に白や黒色のカビが生えていた、ということも起こります。
これは乾燥が不足していたり、乾燥後の保存方法や場所が適切でなかったりしたため、中身に水分や湿気がたまってしまっていたことが原因となって起こります。

痛みがひどくなるとカビだけでなく全体がブヨブヨしてしまい、明らかに傷んでいることが分かるような状態になってしまいます。

完全に乾燥させないとこのようにカビが生えるので、十分に乾燥させた上で適切に保存しましょう。また料理に使用する際も表面が綺麗だからといって安心せず、切って内側にカビが生えていないかしっかり確認することも大切です。

デメリットその2「風味が落ちる」

鷹の爪イメージ
生の唐辛子は水分があるため柔らかくて、風味が豊かなのが特徴です。乾燥させると固くなりますし、風味も落ちてしまいます
このため生の唐辛子を手に入れた際は、すぐに使える分は生のままで使うとよいでしょう。使い切れない分を乾燥させて、長期保存すればよいですね。

デメリットその3「輪切りしにくい」

唐辛子の輪切り
唐辛子を乾燥させると、水分が抜けていくためシワシワになります。また乾燥すると上でも述べたように固くなり柔軟性も失われていきます

唐辛子を料理で使用する際には薄い輪切りにすることも多いのですが、シワシワのものは綺麗な輪切りにしにくいのもデメリットの一つとなります
上手く切らないと千切れてしまうこともあります。また包丁で輪切りにしようとして、弾けてどこかへ飛んでいってしまうことも珍しくはありません。

このため乾燥唐辛子を輪切りにする際はハサミでカットするのがおススメです。
ただし素手で唐辛子を触った際は、その手で目や鼻などを触るとヒリヒリして痛みが出てしまうので注意しましょう。唐辛子をカットする際は、なるべく手袋をするのが安全です。

乾燥させた唐辛子の保存方法

乾燥唐辛子は密封保存が基本
せっかく乾燥させてある唐辛子でも、保存方法を間違えてしまうと傷みが早まってしまいます。
長期保存には水分や湿気が大敵となるので、水分が入らないようにビンやプラスチック製の保存容器、またはジッパー付きの保存袋などに入れて密封しましょう。この時以下のような乾燥剤も一緒に入れておくと、より長持ちさせることができます

保存容器の種類ですがビンだと匂いの移りが少なくなるため、ビン詰めにするのが一番のおススメ方法です。
赤い唐辛子は綺麗な色をしているので、乾燥させたものをビン詰めにして飾っておくのもちょっとしたインテリアになりますね。ただし直射日光の当たる場所ではなく、湿気のない暗い場所に置くのが基本です。

唐辛子は「辛み」の他にも、「香り」や「色合い」を楽しめる食材です。しっかりと乾燥させた唐辛子は、適切な保存方法で長く味わいたいですね。

自家製で乾燥できたかどうかの見分け方

自家製唐辛子はシワが多い
有名メーカーが「鷹の爪」として販売している乾燥済みのものは、シワが寄っていないツルツルのものもあります。こういったものは乾燥時間短縮の他にも見た目を良くするために、専用の機械で乾燥させています。このためシワがとても少なくなっているのです。

個人が自然に乾燥させた唐辛子には、シワがたくさん寄るのが普通です。乾燥の程度を確かめるためにも、シワの寄り具合はしっかりと確認しましょう。しっかりと乾燥できていると表面がシワシワになります。
また中身の種も独立してバラバラになり、乾燥して軽くなります。このため振ると小さく「カラカラ」という音がするのも、乾燥させた際の特徴となります。

乾燥させるのが難しい種類も

日本でよく使われる鷹の爪などは果肉が薄いため、時間はかかるものの自分で乾燥させることも可能です。

しかしハバネロや激辛で知られる「キャロライナ・リーパー」などは果肉が厚く、その分だけ水分を多く含んでいます。こういったものは自分でしっかりと自然乾燥させるのは少し難しくなってしまいます。




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