唐辛子は辛いのが好きな方にとっては料理を何でも美味しくしてくれる、万能食材と言えます。
ただ唐辛子が安かったからといって生の状態で買いだめしても、料理に使う量は意外と少ないため、大量買いした唐辛子の量が減らないといった場合がよくあります。時間のたった唐辛子を味が落ちてしまう上、下手をしたら腐ってしまいます。
生の唐辛子を長期保存するには方法がいくつかありますが、おすすめは冷凍保存する方法です。冷凍保存で気になってくるのは、唐辛子の辛味や食感が変わらないかでしょう。その疑問について、唐辛子の専門家が答えていきます。
唐辛子の辛味と食感を落とさないようにする冷凍法
新鮮な生の唐辛子を冷凍保存すると、解凍したら味は新鮮な時と全く同じ味というわけにはやはりいきません。瑞々しい状態の唐辛子であっても家庭用冷蔵冷凍庫で冷凍すると、ほんの少しだけ味が劣化してしまいます。(業務用の冷凍庫であればほとんど味・食感は変わりません)
ただよほどこだわりのある方以外は気にするレベルでの劣化ではないと思います。
品質最重視なら切らずにラップ+容器
保存可能期間:6ヶ月〜1年
生の唐辛子の辛味と食感をあまり変えずに冷凍保存したいならば、唐辛子は丸ごとそのままラップで包み、容器に入れて冷凍しましょう。カットした野菜はカットした部分の細胞がむき出しになってしまうので、その部分から劣化してしまいますので、そのまま切らずに包んでしまってOKです。
ラップしたものを入れる容器はタッパーでもジップロックでもどちらでもOKです。
なおラップするのはベストな状態を保ちたいという方向けですので、面倒な方はそのままジップロックなどの容器に突っ込んでしまっても問題はありません。この場合は3ヶ月以内には使い切るのがおすすめです。
使い勝手重視ならカットしてから容器に
保存可能期間:〜3ヶ月
使い勝手重視の方には、唐辛子をカットした状態にしてから冷凍するのもおすすめです。刻んだネギを冷凍しておく感覚ですね。
唐辛子のカットは簡単に半分に割るだけでも良いですが、刻んで冷凍しておくと解凍時に調理がしやすいです。ご自身がよく使用される料理に合わせて、一番多く使っている切り方で切った後冷凍してください。
カットした場合は容器はタッパーではなくジップロックがおすすめです。カットしたものを容器に入れたら、中の空気は出来る限りぬいておきましょう。ジップロック内に空気が残っていれば残っているほど、カット唐辛子の劣化が早くなってしまいます。
3ヶ月以上の保存も可能ですが、カットせずにラップした場合より劣化は早いので様子を見ながら消費してください
冷凍に適した唐辛子の選び方
辛味と食感を守って冷凍保存するには、もう一つ気を付けておく点があります。冷凍する生の唐辛子は鮮度が大切です。ハリがあり表面が艶やかで、鮮やかな色をしているものを選びましょう。鮮度が良ければよいほど、解凍したときの味が変わりにくいです。
以下のような唐辛子を選びましょう。
・表面全体が艶やかでシワ一つなく、ハリがある状態
・まだらに青みがあるものではなく、全体に濃い鮮やかな赤みがついている
・色がくすんでキレイでないものは古いので避ける
冷凍した唐辛子は甘味が出る
生の唐辛子を凍らせると辛味と食感はほんの少し落ちてしまいますが、冷凍することで唐辛子には多少の甘味が出るようになります。
冷やすと唐辛子に甘味が出るのは温度を低くし高い湿度で保存すると、唐辛子の中に含まれる糖分とアミノ酸が増加するからです。唐辛子を冷凍すると辛味と食感が落ちてしまいますが、味にまろやかさがでるので生の唐辛子とは違う味わいを楽しめます。
唐辛子の入った新潟の調味料に「かんずり」というものがありますが、かんずりは「寒ずり」の名前の通り唐辛子を冷やすことで甘味を出し唐辛子の辛さを和らげています。
家庭用の冷蔵庫で冷凍したところでかんずりにはなりませんが、辛い味が苦手という人は生の唐辛子を冷凍保存すれば、甘味が出るので食べやすくなります。
1週間以内に食べ切れる量なら冷蔵が良い
生の唐辛子を冷凍保存すると長く持ちますが、そんなに時間をおかずに1週間位で食べきるつもりであれば一番良いのは冷蔵保存です。食べきれないなと判断できる量は唐辛子を冷凍しておきましょう。
唐辛子を冷蔵保存する場合も空気が入らないよう袋か容器に入れ、唐辛子の乾燥を防いでおきましょう。
まとめ
生の唐辛子を長期保存するには冷凍保存が簡単ですし、冷凍しても過度に辛味と食感は落ちません。冷凍すると甘味が出るというメリットもあるので、辛味が抑えられ食べやすい味になります。
大量に余ってしまった唐辛子はぜひ冷凍保存を試してみてください。